本格的なインボイス制度の開始まで少しとなりました。
まだ時間があると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に適格請求書発行事業者になるためには、原則として2023年9月30日までに登録申請をする必要がある等、事前に対応しておくことも多くあります。
制度開始まで半年というこのタイミングで、改めて制度についておさらいするのと、まだ適格請求書発行事業者の登録申請をされていない方もいらっしゃるかもしれませんので、これからどのような対応が必要となるか解説していきます。
本日はそもそもインボイス制度とは何なのかについてとその対象者について説明していきますので制度施行に向けての対策としてぜひお読みください。
現在の日本では、消費税の納付税額は「課税売上にかかわる消費税額」から「課税仕入等にかかわる消費税額」を差し引いて計算し、差額分を納付することになります。この仕入税額を差し引くことを「仕入税額控除」と言います。仕入税額控除とは、生産や流通等の各段階において多重に税がかからないようにするための仕組みですが、この税額控除の適用を受けるためには帳簿や請求書といった帳票の保存が必要です。しかし、インボイス制度が開始される2023年10月からは保存すべき請求書というものが適格請求書(インボイス)に切り替わることになります。したがって、制度開始後、仕入税額控除の適用を受けるためには仕入先が適格請求書発行事業者であることが必要となりますので、言い換えれば適格請求書発行事業者でない事業者からの仕入については、仕入税額控除を適用することができなくなります。
インボイス制度は、基本的には課税事業者に義務付けられたものです。免税事業者は制度開始後でもインボイスの発行義務はありませんが、取引先が課税事業者の場合は、その取引先は免税事業者からの仕入については仕入税額控除ができなくなってしまいますので、取引先に影響を及ぼすことになります。この影響については経過措置が設けられており、制度開始後、最初の3年間は消費税相当額の8割、さらにその後3年間は5割の仕入税額控除が可能とされております。取引先がどのような相手なのかを考慮したうえで、場合によってはこの経過措置期間で課税事業者への切替えを検討してみても良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
次回はインボイス制度について押さえておくべきポイントについてお話していきます。
もしインボイス制度の対応について不安な方はぜひお気軽にお問い合わせください。