2018年1月に「休眠預金等活用法」（正しくは「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」）が施行されました。そもそも、「休眠預金」という言葉にあまりピンとこないという方もいるのではないでしょうか。2009年1月1日以降、10年以上にわたり入出金等の取引のない口座を「休眠口座」、そこに預けている預金を「休眠預金」と位置づけし、民間のあらゆる活動の支援に役立てようというのが狙いです。あなたにも関係しているかもしれない「休眠預金」、一度ここで確認してみませんか。
目次
1. あなたにもあるかも・・「休眠預金」とは
2. 【休眠預金を免れたい方】自分の預金が「休眠預金」に・・取り戻すことはできます
3. 【休眠預金はどんなことに使われているのか？】休眠預金の活用事例
4. まとめ
最後の取引から９年が経過した時点で１万円以上の預金残高がある場合、その金融機関より登録している住所宛てに、休眠預金の対象となる口座が存在する旨の通知が送付されます。通知が受領できれば、「休眠預金」には該当しません。もし、転居等で現在は異なる住所にお住まいの場合など通知が受け取れない場合、本人の知らぬ間に「休眠預金」とされてしまう可能性もあります。尚、預金残高が１万円未満の場合には、このような通知は送付されません。口座を複数持っていて現在は使用しておらず、しばらく放置している口座はありませんか？また、この「取引」の定義づけも金融機関によって異なるため、気になる方は問い合わせてみましょう。
「休眠預金」と認定された預金はその後、金融機関より預金保険機構へ移管され、指定活用団体を通じて、NPO法人等の民間団体における資金として活用されます。しかし、自分の預金が「休眠預金」となってしまった場合でも、ただちに国に没収されるわけではありません。預金保険機構が将来の備えとして、すべての休眠預金のうち約5割を積み立てているため、預金者は期限なく、いつでも引き出すことが可能です。
但し、昨年より、この休眠預金に管理手数料を設ける銀行が増えてきました。手数料の引落により預金残高が１万円未満となれば、通知されずに休眠預金となります。このような状況となる前に全額を引き出して、更には解約まで済ませておくことも得策と言えるでしょう。
「休眠預金等活用法」では、『子ども及び若者の支援に係る活動』『日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者の支援に関する活動』『地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に関する活動』の3つの柱を掲げています。「休眠預金活用事業サイト」では、活動団体の関係者インタビューや活動スナップ等が随時掲載されています。
自分のお金が必要とされている方のための活動の原資となっていることが分かると安心ですね。
参照：休眠預金活用事業サイト
先述の通り、この「休眠預金等活用法」の対象となる口座は、2009年1月1日以降に10年間取引の無いものとされているため、それ以前のものはすべて対象から外れます。今般のウクライナ情勢に伴う原油価格や物価高騰に伴い緊急的な支援が急がれる中、国はこの休眠預金のさらなる有効活用の実施を決定しました。口座の新規開設や名義変更等の諸手続きを行う際に気づくケースが比較的多いとされるこの「休眠預金」、一度確認してみてはいかがでしょうか。
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